求肥(ぎゅうひ)
生菓子の主な種類の一つ、求肥(ぎゅうひ)。なめらかな肌触りと、牛の皮のように白いことから「牛皮」といわれておりましたが、当時の肉食を禁じる仏教の教えから求肥と呼び変えられるようになり今日まで定着している上生菓子です。上質な餅粉に砂糖と水を加えて煉った柔らかい餅のような生地が特徴です。俵屋吉冨の求肥は、独自の配合にすることでしなやかな、口当たりの良い食感を与えています。
俵屋吉冨は季節ごとに求肥の生菓子をお作りいたしております。季節の風物詩が求肥の表面に描かれ、その情景を楽しんでいただく事が出来ます。四月上旬の桜の季節には昔からお作りしている「花筏」という銘の求肥の上生菓子をご用意しております。川の清流に降りた桜の花びらが流れてゆく情景をモチーフにした京菓子らしい意匠です。白雪が舞う冬、十二月には「聖夜」という銘で求肥をお作りしています。真っ白な表面に金箔をちりばめ、生地に浮かび上がる金色の雪の結晶の意匠とともに、クリスマスイブの風情を描き出しました。
それぞれの季節によって景色の違う求肥をぜひ情景を思い浮かべながらお召し上がりください。
四季の求肥

春・花筏

夏・水陰

秋・初秋の里

冬・聖夜